監督インタビュー

この映画をつくるきっかけは?

たまたまクルト・ゲロンの話を耳にした時、私はスティーブン・スピルバーグのために脚本を書いていました。彼ならナチスに迫害された有名なユダヤ人監督に興味を示すかもしれないと思い、話してみると、映画製作への出資を快諾してくれたのです。

製作の動機としては、自分の作品の中に他人の作品(ゲロンの宣伝映画)を取り込んで中心的なテーマに結びつけ、才能あるアーティストがナチスの犠牲となっていく過酷な状況を掘り下げたかったことです。非常に感情に訴える物語です。たとえナチスのためであっても映画を作ることを望んだゲロンは誇りを持って最善を尽くしました。この映画は彼の仕事観とその技量に対する賛辞でもあります。

ナレーションに、俳優のイアン・ホルムを起用した理由は?

イアン・ホルムは俳優としてすばらしい演技力を持ち、暖かみ、優しさ、共感を表現できる人物です。
アンソニー・ホプキンスやドナルド・サザーランドとも話しましたが、イアンに決めました。この映画の成功はイアンの知的で落ち着いた声のお陰でもあると確信しています。

この映画のアメリカ国内の反響は?

アラン・ルネの「夜と霧」など典型的なホロコーストの映画のひとつとして受け止められています。
アメリカの主要なホロコースト博物館では定期的に上映されています。初公開された翌年には名誉ある映画賞をいくつか受賞しました。

劇映画とドキュメンタリー映画の脚本の違いとは?

根本的な違いは、映画の場合、初めに脚本があることです。脚本ができた後、俳優やスタッフなどを手配します。

ドキュメンタリーの場合は撮影終了後、多少編集した画像とマッチするように脚本を書くのです。
ドキュメンタリーの脚本とは、建物で例えれば、映像としてのレンガをつなぐ「漆喰」だと考えています。映画はあくまでも視覚媒体ですから脚本中の言葉は控えめにすべきです。
ドキュメンタリーをつくる時は「百聞は一見にしかず」ということわざを肝に銘じています。

現在、製作中の次回作「World Without War」について、お聞かせ下さい。

私の最新作は、現在、東京のドリームワンフィルムとカナダのメディア・ヴェリテの共同製作で撮影が進んでいます。
テーマは「紛争解決」で、世界各地で撮影しながら、紛争解決のための革新的な方法を探求します。紛争や武力衝突のある地域をまわり、世界で大きな影響力を持つ指導者、政治家、平和を提唱する人々、公正な武力紛争終結に心を砕く人々にインタビューしていきます。
アフリカ、バルカン半島、中近東およびアメリカ、カナダ、日本で撮影の予定です。

World Without War~戦争のない世界へ~現在撮影中、2012年初夏公開予定

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